3Dディスプレイ制作

最終的に目指しているプロダクト「3Dディスプレイドングル」についてはこちら。
 3Dディスプレイドングルについて

3Dディスプレイの仕組み(基本編)で、レンチキュラーレンズを使った3Dディスプレイの基本、3Dディスプレイの仕組み(発展編)で視点数を増やすテクニックと実際に作る時の注意点を説明していきました。
 ここからはそれらを踏まえて実際に作っていきます。

●液晶ディスプレイ

今回使うのはこちら。
Maker Fair Tokyoで出展しているときにフレームもセットで特別価格で販売していたので思い切って購入したものですが、今見たら販売が終了していました。

…販売終了してるじゃん。
あと4枚必要なのだが…。

こういった類の液晶ディスプレイモジュールは最近増えてきているので…まぁ…良い、でしょう…。

 対角7インチ、1200×1920ピクセル、322ppiの短辺方向にRGBが配置されている縦型ディスプレイです。
この縦型というのが大事です。
なにせ、最終的に変型五角柱みたいな形にしたいので、ディスプレイは縦でないと困ります。そして、発展編で説明した通り、レンチキュラーレンズで視点数を増やすためにはRGB配置を利用する必要があります。
なので、このディスプレイを選びました。

が、販売終了しているので、次作る時は選び直しですね…。
計算も、やり直しですね…。

●レンチキュラーレンズ

次にレンチキュラーレンズを選びます。
ここで購入しました。

どうせ画面に接着しないので接着層なし。
色々なLPIを試したかったので、お試し5枚セットで60、75、100、160、200を買った気がします。覚えてません。
A2で届くので大変邪魔です。
私は会社のロッカーに放り込めず、無関係な営業さんのデスクに立てかけてありましたが、会社の移転に伴って上司の家に移動しました。まったく傍若無人な若者です。

さて、今回は160LPIのレンチキュラーを使用します。
選び方ですが、単純に言うとLPIが大きければ視点数が少なく、画質が良くなります。
逆にLPIが小さければ視点数が多く、画質が悪くなります。
 今回は画質をあまり悪くしたくなかったので160を選びましたが、視点数が足りないため、次作る時はもう少しLPIを落とすつもりです。
ディスプレイとレンチキュラーレンズが決まった時点で、PITCHが決まります。
PITCH=PPI*3/(LPI*cos(9.46))=322*3/(160*cos(9.46)) ≒ 6.120
小数点以下の端数は画像を作る際に絶対に絶対に絶対に必要なので、絶対に切り捨てないでください。
 最大視点数はPITCHの2倍なので、
最大視点数=PITCH*2=6.120*2=12.241
今回は12視点で見え方が変わるディスプレイを制作します。

 続いてこのレンチキュラーレンズを切断するわけですが、なんせ9.46度だか傾けて切らなくてはいけません。
フリーハンドでできる所業ではない。
というわけで、フリーの製図ソフトをダウンロードしてディスプレイの大きさに合わせて作った四角形を9.46度傾けたテンプレートを作成しました。
もう開けません。パソコンが変わって、テンプレートを開く機会もなく、製図ソフトをインストールしていないからです。ディスプレイも販売終了しているし、どうせ作り直しです。
それを使ってなんとなく切ります。
ここで間違えてはいけないのは裏表です。
かまぼこ面を画面に向けて置いたときに、望んだ方向にレンズが傾いていないといけないことに注意してください。

切ったら画面に重ねてみてとりあえず完成です。貼ったりしなくても試作する分には困りません。むしろ試作なのに貼ってしまったら、違うLPIで試すとかができなくなります。ディスプレイは安くありません。

●終わりに

 以上で3Dディスプレイは完成です。
しかし、ここまでで触れていないことがあります。
実は世の中のあまねくレンチキュラーディスプレイと、レンズの傾きが逆なのです。
正直、私は関係ないと思っているのですが、どの論文を見ても逆ですし、LookingGlassも逆だったように思います。
関係があると困るので、見ないふりをしています。作り直したくないからです。
でもいつか見なきゃなぁ。

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